Department of Functionalized Natural Materials, The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University 大阪大学 産業科学研究所 第2研究分門 自然材料機能化研究分野

Department of Functionalized Natural Materials, The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University 大阪大学 産業科学研究所 第2研究分門 自然材料機能化研究分野

折り畳めるナノペーパーアンテナ

折り畳み可能なアンテナは、電子デバイスの小型化と携帯性の向上に向けて必須技術である。そこで私達は、印刷可能な銀ナノワイヤインクを開発し、折り畳み可能な高感度ペーパーアンテナを開発した。
銀ナノワイヤは、印刷可能なフレキシブル配線材料として注目を集めている。しかし、銀ナノワイヤとプラスチックフィルムは密着性に乏しいため、折り畳むと銀ナノワイヤ配線がプラスチックフィルムから剥離し、破壊されて導電性が失われる。そのため、折り畳み可能な導電性配線はこれまで実現されていなかった。一方、銀ナノワイヤはセルロースナノファイバーと親和性が高いため、ナノペーパーへ印刷した銀ナノワイヤ配線は折り畳んでも高い導電性を保持する。この特徴を利用すると、銀ナノワイヤを印刷塗布したナノペーパーを複雑に折り畳んでも、LEDライトは点灯し続ける。
また、ナノペーパーは表面平滑性に優れているため、アンテナ配線用基板としても利用できる。ナノペーパーに印刷した銀ナノワイヤ配線は、プラスチック基板へ印刷したものよりも優れたアンテナ特性を示し、折り畳んでもアンテナ特性はほとんど低下しなかった。従来のアンテナは、アンテナ配線以外のコンデンサやコイルといった付属部品を使って、共振周波数を調整している。ナノペーパーアンテナは、それらの付属部品を使うことなく、折り畳むだけで幅広い周波数で共振点を調整できる。



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