原料は何がいい?
セルロースナノファイバーの製造プロセス概略図を上に示しました。現在、木材チップから取り出したセルロースパルプが主流な原料です。「どんな木材が好ましい?」という意見は、百家争鳴の状態です。もう少しすれば、メカニズムとコストの面から、それぞれ答えがでると思います。
野菜や植物繊維からも、セルロースナノファイバー製造可能です。では、原料としての可能性はどうでしょう?
紙はセルロース繊維から製造するので、それら植物繊維からも製造可能です。たまに、木材パルプ以外からつくった紙をみかけますね。しかし、多くの紙は木材パルプから製造しています。それは、原料価格・調達能力なども関係しているのでしょう。この状況を考えると、セルロースナノファイバー原料としては、木材パルプが主流となるでしょう。
「古紙パルプは木材パルプより低コストなので、原料として好ましい?」という意見がありますね。確かに、古紙パルプのほうが、バージン木材パルプよりも安価です。そして、古紙パルプからナノファイバーは製造可能です。しかし、セルロースナノファイバー製造において原料コストが占める割合はとても小さく(1割以下かな?)、例え0円の原料を使用しても、コストは劇的に下がりません。(むしろ、プロセスのマイナーチェンジによって価格アップする可能性のほうが大きいのでは。)いずれにせよ、コストのボトルネックは、原料コストではなく製造プロセスコストです。
したがって、「低コストプロセス開発」または「高価格でのキラーアプリの探索」が重要です。それに向けた研究、精進させて頂きます!!頑張ります。
© Department of Functionalized Natural Materials ISIR, Osaka University