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2012/02/07 【新聞】 「透明な紙」が産経新聞に紹介されました。
2012年2月7日 セルロースナノファイバーからつくった「透明な紙」が、産経新聞に紹介されました。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120207/wlf12020707060000-n1.htm
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透明な紙 ~繊維1000分の1で実現 強く、軽く、熱に強く~
紙の繊維を千分の1まで細かくした「セルロースナノファイバー」を使って透明な紙を作る技術を、大阪大学産業科学研究所の能木雅也准教授が開発した。ガラ スより軽くて丈夫なうえ、プラスチックより熱に強いことから、広い範囲での利用が可能。材料は紙と全く同じで、化石や鉱物資源に頼ることなく製造できる。 処分も容易で、環境への影響も小さいことから、紙の歴史を変える新素材として注目される。
紙の材料である植物繊維そのものは透明で、紙が白いのは、繊維同士の隙間で乱反射が起こるためだ。透明な紙は、普通の紙と基本的な構造は同じだが、植物繊維 を普通の紙の千分の1という15ナノメートルまで細かくし、繊維同士の隙間を限りなく狭め、乱反射を消すことによって生まれる。
これまでも試作は可能だったが、製造過程で生じる表面の凹凸を手作業で研磨しなければならず、実用化の壁となっていた。
能木准教授が開発したのは、のり状にした繊維を特殊な基板に塗って乾燥させ、表面に凹凸ができないようにする技術。より透明度の高い紙を、比較的容易に作ることができるようになった。
繊維が緻密なため、水にも強い。厚みを持たせればガラスよりも軽くて丈夫。プラスチックのように温度によって収縮することもないため、優れた素材として広く活用できる。
窓などの軽量化と強化を両立させるほか、薄くて折り曲げられる液晶画面なども容易となり、応用範囲は広い。原材料が植物であることから、再利用や廃棄などで、自然への負荷が小さく、環境面でも優れた素材として期待できる。
能木准教授は「安価で安全な素材として広く活用できるようにしたい」と話している。
以上 平成24年2月7日 産経新聞 15版1面より (原文)
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この成果は、2009年Advced Materialsに発表した「透明な紙」の製造プロセスを、よりシンプルに改良し、さらに透明性や低熱膨張性などを向上したものである。
2009年Advced Materialsに発表した「透明な紙」に関する詳細はコチラ。
“Opticallty transparent nanofiber paper” (Original article) in Advanced Materials
“Durchsichtige Erscheinung” in neues deutschland (ドイツ語)
“Papier transparent pour l’électronique” in La Recherche(フランス語)
“Clear Nanofiber Paper” in C&EN
“Transparent paper: Clearly different” in nature asia-pacific materials
“Transparent paper” in Nature Materials
“Materials: Transparent nanofibre paper” in Nature Photonics
© Department of Functionalized Natural Materials ISIR, Osaka University