Department of Functionalized Natural Materials, The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University 大阪大学 産業科学研究所 第2研究分門 自然材料機能化研究分野

Department of Functionalized Natural Materials, The Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University 大阪大学 産業科学研究所 第2研究分門 自然材料機能化研究分野

原料は何がいい?

セルロースナノファイバーの製造プロセス概略図を上に示しました。現在、木材チップから取り出したセルロースパルプが主流な原料です。「どんな木材が好ましい?」という意見は、百家争鳴の状態です。もう少しすれば、メカニズムとコストの面から、それぞれ答えがでると思います。

野菜や植物繊維からも、セルロースナノファイバー製造可能です。では、原料としての可能性はどうでしょう?
紙はセルロース繊維から製造するので、それら植物繊維からも製造可能です。たまに、木材パルプ以外からつくった紙をみかけますね。しかし、多くの紙は木材パルプから製造しています。それは、原料価格・調達能力なども関係しているのでしょう。この状況を考えると、セルロースナノファイバー原料としては、木材パルプが主流となるでしょう。

「古紙パルプは木材パルプより低コストなので、原料として好ましい?」という意見がありますね。確かに、古紙パルプのほうが、バージン木材パルプよりも安価です。そして、古紙パルプからナノファイバーは製造可能です。しかし、セルロースナノファイバー製造において原料コストが占める割合はとても小さく(1割以下かな?)、例え0円の原料を使用しても、コストは劇的に下がりません。(むしろ、プロセスのマイナーチェンジによって価格アップする可能性のほうが大きいのでは。)いずれにせよ、コストのボトルネックは、原料コストではなく製造プロセスコストです。

したがって、「低コストプロセス開発」または「高価格でのキラーアプリの探索」が重要です。それに向けた研究、精進させて頂きます!!頑張ります。



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